「アフターコロナは、せめぎ合いの時代」(917号)・・装置設計・製作のAZA

歴史学者:磯田道史さんは、これからの時代を“人類の意志が試される「勝負の10年」尊敬心と共感性を根底にした社会へ ”と提言をしています。――感染症の流行を経験した社会は、今後、どのような変化を迎えるのでしょうか。未来は未知で有りますが、歴史から学ぶことが出来ます。歴史をひもとくと、パンデミックの後の社会は、良い方向にも悪い方向にも振れる可能性があります。14世紀にまん延したペスト(黒死病)の後、ヨーロッパでルネサンスが興隆したという例もありますが、それだけで「感染症の後には、社会は良い方向に転換する」と簡単に結論づけるのは難しいと思います。歴史は、さまざまな要素が複雑に絡み合って形成されており、些細な出来事であっても、事態が大きく変わってしまう場合があるからです。その象徴的な例が、スペイン風邪の世界的な大流行によって、終結が早まったとされる第1次世界大戦とその後の状況です。講和会議の場で、戦勝国のイギリスやフランスは、自国の経済再建のため、敗戦国ドイツに対して莫大な賠償金を要求しました。対して、アメリカのウィルソン大統領は、世界平和のために敗戦国に過酷な賠償責任を課すべきではないと考えていました。そんな中、ウィルソンがスペイン風邪に倒れてしまい、会議に参加できなくなります。この間、議論は大きく進んでしまい、結果的に、ドイツは多大な賠償金を負担することになりました。やがて経済危機に陥ったドイツでは、ヒトラー率いるナチスが勢力を伸ばし、ファシズム体制を樹立。他国への侵略を契機に、第2次世界大戦が勃発するわけです。このように、パンデミック後の社会は、多くの死を経験していることもあり、人心が荒廃し、極端な方向に走りやすい。これからの世界は「危ない橋」を渡るような不確実性の高い状況、すなわち、良い方向にも悪い方向にも変わり得る「せめぎ合いの時代」が続くと予想されます。その意味でも、これからの10年は、人類の意志と行動が試される「勝負の10年」といっても過言ではないとのことです。私達1人1人が政治を監視する厳しい目を持つことが求められるのではないでしょうか。

☆アザエンジニアリング・最近の実績☆☆AtoZtoA