毎週金曜日は景気のいい話で締めていますので今週も・・。「日本半導体製造装置協会が発表した2021年第1四半期の世界半導体製造装置販売高は、驚くことに、前年同期比50%増の236億ドルとなっています。今や世界的な半導体不足であり、作っても作っても足りない。とりわけ自動車向け半導体は生産計画を大きく狂わせるほどに足りない。これを考えれば、設備投資の拡大はそんなにサプライズなことではないのです。電子デバイス産業新聞によれば、半導体設備投資の拡大は今に始まったことではありません。同紙によれば、2018年段階での投資は950億ドルに達し、なんと2017年水準に対し100億ドルも上乗せするほどの活況でした。そして、2019年は半導体生産にブレーキがかかった年で設備投資も急降下が予想されたましたが、微減の910億ドルを実行し、高水準が維持されたのです。そして世界すべてがコロナ禍に見舞われた2020年、当初は半導体の生産も投資も下がるとの見通しでした。ところが、生産はテレワーク拡大、ゲームなどの巣ごもり需要拡大、そしてデータセンター投資などに支えられ、前年比5%増となり、すべての産業の中で、まさに半導体一人勝ちという展開になりました。そしてまた、2020年の半導体設備投資も1029億ドル(約11兆3000億円)という過去最高水準を記録しました。前年比13%増という伸び方をしたのです。2020年の世界の半導体製造装置販売額は、前年比19%増という活況でした。国別の内訳を見れば、1位中国=2兆592億円(前年比39%増)、2位台湾=1兆8865億円(同0.2%増)、3位韓国=1兆7688億円(同61%増)、4位=日本8338億円(同21%増)、5位=北米7183億円(同20%減)となっています。「中国製造2025」を掲げて、徹底的な半導体強化を図る中国は、やはりとんでもない投資を実行しています。そして、台湾はTSMCを中心に高水準を維持、韓国はサムスンをコアに投資を一気に上げてきました。かなりの数字の開きはあるものの、我が国日本も投資ランキングで第4位につけており、それなりの存在感を示しています。ソニーが投資のリード役であり、キオクシアも一定水準を投資、そして三菱電機、富士電機、ローム、東芝などのパワーデバイス企業が頑張って投資水準を引き上げています。2021年の半導体設備投資も拡大基調にあり、最近の様々な調査機関、アナリストの予想についてもかなりの上方修正がなされ、前年比30%増の15兆円超(1400億ドル)になるとの予測もあります。
最近の実績☆☆AtoZtoA