週末恒例の景気の良いネタを電子デバイス産業新聞の記事からご紹介致します。「日本国政府が本気になって、半導体産業への大型支援を打ち出したことは、非常に評価できます。しかして、半導体デバイス自体の日本のマーケットシェアは10%程度であり、最盛期の5分の1しかありません。これを20%以上に上げるには大変な労力と苦労がいります。ところが、半導体材料の世界では、日本はぶっちぎりで圧倒的な世界シェアを持っている。半導体製造装置においても、米国に比肩するほどの大きなシェアを持っている。装置と材料で戦うというのも1つの選択技にもなっています。 半導体製造における日本の装置と材料の強さは、最強です。世界の半導体製造装置トップ15社ランキングを見ても、なんと日本企業がほぼ半数の7社もランク入りしています。
日本企業でトップをいく、弊社の取引先でもある東京エレクトロンは、コーター&デベロッパーという重要な装置において、世界シェアをほぼ独占とも言ってよい状況なのです。つまりは、東京エレクトロンのその装置が止まってしまえば、世界すべての半導体メーカーが製造を中止するしかないというほどのインパクトなのでです。 そしてまた、半導体のもっとも主要材料であるシリコンウエハーについても、信越化学と以前弊社が製作した装置をお納めした、SUMCOが圧倒的なシェアを持っています。半導体不足は深刻化しており、向こう1年間めどが立たないと言われるほどの状況にあります。これを踏まえて、信越化学もSUMCOも新工場新設を伴う大型設備投資を計画し始めました。半導体フォトレジストに至っては、日本勢のシェアが90%以上という状況であり、このことを懸念する諸外国はかなりいるといわれています。 半導体製造装置の部材/パーツメーカーについても、日本企業の強さは際立っています。半導体製造用石英ガラスの市場は、トップが信越石英、2番手は東ソー・クォーツ、3番手以下もMARUWA、フェローテック、テクノクオーツなど日本企業が大活躍しています。 半導体リソグラフィー用レーザーの供給メーカーとして知られるギガフォトンもまた、世界市場で50%以上のシェアを持っていると推定されます。半導体装置向け高性能電源の世界で有名な会社が、富山に本社を構えるコーセル。クリーン搬送機器事業において、世界トップシェアを持つロードポートをはじめとする真空搬送システムや、ウエハーソーターなどの製品展開を拡大しているのは、シンフォニアテクノロジー。さらに、水回り機器の大手として知られるTOTOは、半導体装置向けセラミック部品のトップサプライヤーとなっています。 東洋炭素もまた、黒鉛製品で高シェアを確保しています。半導体工場向けにEFEMやウエハーソーターを展開するローツェ、半導体製造装置向けヒーター製品を展開する弊社取引先のワッティーなど、世界で大活躍する装置・部材のメーカーが目白押しです。ここにニッポンの生きる道があるのではないでしょうか。まさに私達の日頃行っている設計業務が最先端の日本企業の技術を支えているのです。