請負設計及び物作り設計の依頼が増えてきています。短納期対応を含め時間ギリギリの対応になってしまうことがあります。そうなると残念ながらミスも増えてくる傾向になってきます。そこで「孫子の兵法」からクレーム対応は初動がすべてというお話をさせてください。孫子の言葉にも「兵は拙速(せっそく)を聞くも、未(いま)だ巧(こう)の久しきをみざるなり。それ兵士久(へいしひさ)しくして而(しかも)も国に利ある者はいまだ之(こ)れあらざるなり」というものがあります。「兵士は拙速を尊ぶ」という形で使われることも多いですが、こと戦に関しては、最良といえない行動でも、とにかく速やかに動く方が良いとされます。桶狭間の戦いで、兵力たった2000人の織田信長が大軍2万5000人の今川義元を討ち取ったのも、雨の中の奇襲戦法に賭けたからです。孫子は、戦いを一種の「必要悪」として捉え「仕方なく戦うときも、戦争の害をよくわきまえて短期での終結を目指すべきだ」と繰り返し説いています。長引く戦は双方に甚大な被害をもたらすからです。クレーム対応も、迅速さが最重要です。「初動が大事」とも言われるように、適切なタイミングで行動することによって、ピンチをチャンスに変えることもできます。こんな事例があります。――ある時、アパレルの営業課に「スーツの縫製が悪い」というクレームがきました。しかも、同じ日に出荷した品物について、別のクライアントからも似たようなクレームが入っている。どうやら工場での仕上げ作業に問題があったらしのです。担当者のFくんはとりあえずブティックJに駆けつけました。一方でEくんは、まず工場に電話して検品済みの商品を用意させ、翌日、菓子折りをもってモードハウスHに出向いて謝罪しました。結果はどうなったのか・・?顧客が納得したのはFくんのほうでした。ブティックJのオーナーは「すぐ来てくれる姿勢がいい」と言い、モードハウスHの店長は「替わりの商品まで手配してくれたけど、すぐに来てほしかった」と言ったのです。事前準備も重要ですが、速やかに動くことで道が開けることも多いのです。『クレームは迅速な初動が大切です。』肝に銘じておきましょう。
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