米中関係、在庫調整など半導体装置業界の行方が非常に気になります。このような状況の時は少しでも希望の持てる記事を、探してしまいますね。そこで今日は少しホットする記事をご紹介します。半導体製造装置市場は・・・昨年2021年の世界の半導体産業は地政学的な問題、DX(デジタルトランスフォーメーション)、5G(第5世代移動通信システム)、カーエレクトロニクスなどの市場拡大に伴い半導体供給不足が起こりました。その結果、国家レベルで半導体産業への大規模な出資が行われました。それに伴い、21年世界半導体製造装置市場は前年比40%増の10兆1635億円となりました。22年の半導体製造装置市場は、スマートフォンの低迷、データセンターの投資にも陰りが見え始め投資の減速はあるものの同24.3%増の12兆6382億円が見込まれています。グローバルネット(GNC)では、23年の世界半導体製造装置市場は、前年比5.2%増の13兆2932億円と予想しました。その理由は・・・
①装置メーカーは部品の供給不足により受注残を消化できていない
②設備投資資金は企業だけでなく国の補助による投資比率が高いため、市況に左右されない
③工場の建屋が完成し装置の導入が始まる
半導体製造においてまず前工程のトランジスタ工程では、微細なパターン加工をするために薄膜形成装置、コーター&デベロッパー(塗布・現像)、露光装置、エッチング装置、ドーピング装置、洗浄装置が使用される。配線工程ではCVD装置、エッチング装置、スパッター装置、めっき装置、平坦(へいたん)化するCMP装置が必要となります。
後工程においては、チップに切断するダイシング装置、その後チップとパッケージ基板を接続するダイボンディング装置およびワイヤボンディング装置があります。さらに配線されたチップを保護するためにモールディング装置によって樹脂で固めてパッケージにします。そして各工程では測定や検査が行われます。
21年の企業別売り上げランクでは、米アプライドマテリアルズ(AMAT)が前年に引き続きトップ、次いで蘭ASML。3位は日本の東京エレクトロン(TEL)、4位にはエッチング装置世界1位の米ラムリサーチで、上位4社合計で半導体製造装置市場全体の6割以上を占めます。
前工程装置では微細化への対応が進む一方で、後工程装置も高度化が進んでいます。半導体チップの高機能化の要求により、チップにすべての機能を納めるSoC(システム・オン・チップ、大規模集積回路)からSiP(システム・イン・パッケージ、一つのパッケージに複数のチップを組み入れる)へパッケージ技術が進展しています。来年の半導体製造装置市場は伸び率は減速するものの全体での市場は拡大する見込みです。今後も注意深く観察を続けたいと思います。