【半導体前工程装置投資、23年は減少も24年に回復へ】
SEMIは2023年3月21日、世界の半導体前工程製造装置への投資額に関する予測を発表しました。それによると、2023年の半導体前工程向け製造装置への投資額は前年比22%減少するものの、2024年は前年比21%増と回復します。世界の半導体前工程製造装置への投資額は、2022年に過去最高となる980億米ドルに達したものの半導体需要の減衰と民生機器やモバイル機器用半導体デバイスの在庫増に起因し、2023年は前年比22%減の760億米ドルまで縮小すると予想。2024年については、半導体デバイスの在庫調整終了し、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)や自動車分野での半導体需要拡大を背景に反転すると予測。2024年の半導体前工程製造装置投資額は、2023年比21%増の920億米ドルまで回復するとしています。
【アナログおよびパワー分野は2023年も拡大へ】
分野別の投資額は、半導体受託製造(ファウンドリー)分野は、2023年が前年比12.1%減の434億米ドル、2024年が12.4%増の488億米ドルで最も投資額が大きい分野を維持するとの見通し。メモリ分野が次いで投資額の大きな分野になりますが、2023年は前年比44.4%減となる171億米ドルと、大きく減らすと予想。2024年については、282億米ドルまで回復する予想です。アナログおよびパワー分野は、自動車市場の安定した成長を背景に2023年も前年比1.3%増の97億米ドルに拡大すると予想。2024年についても2023年と同水準になることが予想されています。なお、SEMIは世界の半導体生産能力自体は、2022年の前年比7.2%増に続き、2023年は同4.8%増、2024年は同5.6%増と拡大を維持すると予想しています。それに合わせるように、弊社の取引先である東京エレクトロンテクノロジーソリューションズは20日、半導体製造装置関連の新工場建設で岩手県奥州市と立地協定を結びました。同市の新工業団地「江刺フロンティアパークⅡ」に用地約11万2300平方メートルを取得。2025年秋の操業を目指します。総投資額は約220億円。新工場の延べ床面積は約5万7000平方メートル(1階倉庫、2階生産エリア)を計画。熱処理成膜装置、枚葉成膜装置などを製造する。新棟建設で生産スペースは従来比約1・5倍に広がります。新規雇用を含む正社員・協力会社の雇用は約900人を計画しています。