「自分を育てる言葉・人を育てる言葉・・」(1357号)業界初・ものづくり技術支援をサブスクで提供するAZA

技術屋のサブスク WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本を優勝へと導いた侍ジャパン前監督・栗山英樹さんの『栗山ノート2 世界一への軌跡』が先月発売されました。2019年10月に刊行された、前作『栗山ノート』は、2023年3月のWBC優勝決定後、反響を呼び、11万部を突破するベストセラーとなりました。本書はその続編となっており、WBC日本代表監督に任命されてから優勝するまでの日々を振り返った、激闘の舞台裏が記録されています。日本中に感動を与えたWBC。「ぜひ、激闘の裏側を知りたい」という多くの言葉が寄せられ、『栗山ノート2 世界一への軌跡』の制作が実現と言われます。
WBCの期間中から6月にかけて、時間を見つけては必死にノートを書かれていく日々を、栗山さんは、「なんとなく通り過ぎていった一場面一場面の意味を深く思い出したり、あらためてその真意を理解したりと、非常に気づきの多い日々だった」といいます。前作の『栗山ノート』に続き、本書も古典からの引用が多く、偉大な先人の教えをたくさん紹介されています。普段から先人たちの言葉を意識している栗山さんは、「人生の何かに困っていたり、何かに挑戦しようとしていたり、ちょっとモヤモヤしているような方にこそ、読んでもらえたら嬉しい」と語ってます。今日は、元栗山監督の「自分を育てる言葉」と「人を育てる言葉」をご紹介致します。
『自分を育てる言葉』
①「他人との比較を絶つ」
SNSの発達で、様々なカテゴリで活躍する同年代のスタープレーヤーを容易に認知できるようになりました。しかし、そういった人と自分を比較して、劣等感を抱く必要は皆無です。それよりも、比較相手にするべきは過去の自分。昨日よりも今日、今日よりも明日と、着実に成長していくことのほうが遥かに尊い営みです。
②「自分=組織という意識を持つ」
当事者意識を持つことは、とても大事です。たとえば、平社員から社長までの全員が「自分の活躍が会社の存亡に直結する」と考えている会社は、組織として強いですよね。自分本位ではなく、組織を活かすためにはどうすればよいのか。この意識が根付けば、人として成長することができるでしょう。
③「『自分は正しい』は禁物だ」
見聞きした情報や自身の成功体験を、絶対的な「正しい答え」としてしまうと、視野狭窄(しやきょうさく)に陥って他人の意見を聞き入れることができなくなります。あなたが正しいと信じることは、数ある選択肢のうちの一つにすぎません。もっとほかにいいやり方があるかもしれません。「自分は正しい」という考えは捨てましょう。
④「基本、後輩のほうが優秀である」
会社やサークルで、自分の後輩が著しく活躍して台頭したとします。危機感を覚える必要は、全くありません。人類は絶えず進化しているので、自分よりも後に生まれてくる人が優秀なのは当然なのです。そこで腐らず、自分にしかできないこと、自分ならではの強みを発揮し続けることができれば、評価は後からついてくるでしょう。
『人を育てる言葉』
①「逆境はチャンスだ!」
苦しんでいる人に送るのは、応援や同情の言葉ではなく「よかったなあ!」。成長の機会は艱難辛苦(かんなんしんく)にしかないので、眼の前の困難から逃げてはいけません。どうせ逃げられない困難、せっかくなら今の状況を楽しんで、壁を乗り越えましょう!
②「真面目な批判は、感謝して受け入れなさい」
SNS上で飛び交う匿名の批判は無視して構いません。しかし、自分の理解者や親しい人から発せられた批判には耳を傾けて、真摯に受け止めなければなりません。むしろ、自分に関心を持ってくれていることに感謝するべきでしょう。「言われるうちが華」です。応援してくれている人を落胆させないためにも、批判を糧にしましょう。
③「目一杯叱るのは、真剣にあなたのことを思っているから」
真に相手の成長を願うのであれば、自分の好感度が下がるのを覚悟で厳しい言葉を伝えます。誰だって、他人には嫌われたくありません。しかし、自分が嫌われたくないがために相手の成長の機会を奪ってしまうのは、非常に残酷なことです。ときには心を鬼にして、相手を叱ることも必要なのです。
④「『楽しい=楽をする』ではない!」
「楽しい=楽をする」と捉えている人がいますが、それは間違いです。楽をしても、気持ちが一瞬軽くなるだけで、達成感や高揚感は得られません。困難を乗り越える、課題を解決する…本当に楽しいという感情は、そういった瞬間にこそ芽生えます。楽をすることではなく、楽しいことを追求していきましょう。

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