◎先日の日経の記事に「2016年の太陽光関連の倒産が過去最多に、86%増で67件」とありました。
ひと昔前までは、花形産業の1つでもあったのに・・。
帝国データバンクが2月8日、太陽光発電関連企業の倒産動向の調査を発表しました。2016年は関連企業の
倒産が急増したそうです。 倒産件数は、2014年以降、3年連続で増加しています。調査対象企業は、
太陽光発電システム販売・設置工事、コンサルティングなどの関連事業を手がけている企業です。
5年前の2012年7月に、再生可能エネルギー発電電力の固定価格買取制度(FIT)がスタートし、
太陽光発電関連分野は、一時はミニバブルのような状態となりました。しかし、買取価格の低下が続いたことにより、
昨今は参入した企業の撤退や倒産も目立つようになっています。
AZAでも、太陽電池の製造装置の設計に携わる機会がちょど10年ほど前にありました。〇社様とのお取引も
そこからスタートしております。その時代でも、製造装置業界は新参者の参入企業が多く、かなりの企業が
既に淘汰されており開発から2年ほどで、〇社も撤退を余儀なくされました。
太陽電池を含むクリーンエネルギー事業はヨーロッパが先行しており、〇社も装置の製造をヨーロッパで
行う計画でスタートし、装置一台分の図面を、改良とVE(原価低減)を行いながら、図面&仕様書も
全てヨーロッパ規格に作り直し、苦労しながら翻訳も行いました。2年がかりの大きな仕事でも
ありましたが有力な引き合いはあったものの、コストダウンの大きな波に飲み込まれ、残念ながら
装置受注にまで至らなかったのです。
その間、様々大変勉強させて頂きました。太陽電池製造装置は非常に大型な装置で、当時の真空容器は
ステンレスの板(80mm)を溶接で作る構造が主流でしたが、〇社は造船で培った技術を持っており
80mm程度の板を、いともたやすく曲げることが出来、真空容器も曲げ板金のような構造で
製作をしておりました。私ども精密機械の技術者からすると、とても考えられない技術に驚愕したと共に
異業種の産業技術の奥深さを垣間見た気がしました。
AZAでは現在、有機ELパネル製造装置の設計受注が中心となっておりますが、「時代の流れ」を
しっかりとつかみながら、次の流れを見据えつつチャレンジの日々を送りたいです。