◎今日は私たちの仕事に対しての、様々な教訓になる短い新聞記事を3つ
ほどご紹介致します。
❶近年、「社歌」が静かなブームです。
新たに制作する企業が増えており、社員が作詞をしたり、ポップス調
の曲にしたりと、親しみやすいものが多いといいます。中小企業向け
の社歌動画コンテストで今年大賞になった社歌はラップ調でした。
▼ブームのきっかけは東日本大震災といわれる。働くことの意義や
会社への帰属意識の変化など、会社と社員のあり方を改めて考える
動きが広がり、社内のコミュニケーションツールとして注目されたと
いいます。
▼これまでの「会社のための社歌」から、社員が共感し、一体感を
高める「社員のための社歌」が求められるようになりました。社会の変化
の中で、自社の原点や目的観が問い直されています。
❷農学の大家が、ある村で1時間ほど講演されました。題名は「土壌の話」。
終了後、一人の聴講者が、けげんそうに質問した。「どじょう、どじょう、とおっしゃ
いましたが、赤どじょうのことですか?ごまどじょうのことですか?」
▼「土」で分かるところを「土壌」と言ったために、淡水魚の泥鰌と混同されて講演
が分かりにくくなってしまいました。言語学者の金田一氏は、このエピソードを通し
て、「言葉を発する際に大切なのは‶よく分かること」と指摘する。相手が理解できる
ように話す、日常的な話し言葉が「ほんとうの生きたことば」であると・・
❸幕末から明治の大名人といわれた講釈師の『神田伯山』は、名奉行・大岡越前の
創作噺「天一坊」で人気を集めました。「伯山は天一坊で蔵を建て」と川柳に詠まれる
ほどで、80人以上の弟子がいたといいます。
▼ある日、外出した伯山が、お供の末弟子に言った。「おい、そばを食おう」。
ところが店に入って注文したのは、自分のそば1杯。不審げな弟子に、伯山が一言
いいました。「食いたかったら芸を勉強しなよ」
▼弟子は家に帰るなり、父に不満をぶつけた。すると父は、師匠の家に向かって両手
をつき、感謝を。そして「“今は一番下だが早く一人前になれ”」という励ましなのだ、
と諭した。心を入れかえ稽古に励んだ末弟子は後年、先輩たちを追い越し、2代目・
神田伯山となりました。
▼師の言動を恨んだままでいたら、後の大成はなかったかもしれない。それが父によ
って師の深い思いに気付かされ、弟子の心は変わった。出来事そのものは変わらなく
ても、「捉え方」が変わったことで、未来が開けたのです。
▼人生には、さまざまな出来事がある。その一つ一つを、どう深く捉えられるかで
心が変われば、世界が変わる。全てを前進と成長の好機と捉えていく
“たくましき楽観主義”が大切である。
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