先日、書籍「日本で一番大切にしたい会社」の著者:坂本先生の講演を受講してきま
した。「日本で一番大切にしたい会社」は現在シリーズ化されておりこれまでに6巻
まで発刊されています。累計販売数も70万部を突破して、ビジネス書としてはロング
ベストセラーになっています。坂本先生は、経営学者で元法政大学院教授。モットーは
「現場で中小企業研究や、がんばる中小企業の支援をする」ことです。さまざまな企業
を6000社以上訪問調査してきました。こうした企業の大半は、親しい研究仲間や
中小企業経営者からの情報提供やインターネット上での発掘、さらには各種の新聞や
雑誌等から発見したものです。意識して訪問している企業は、長期にわたり好業績を
持続している企業(社員と顧客の満足度が高い証明といえます)や、業績はともかく、
真に世のため人のためになる経営に懸命に取り組んでいる価値ある企業です。
「この社長は、ここまで社員やその家族のこと、顧客や下請企業のこと、地域社会のこと
を心して経営をしてくれているのか・・」という感動でメモを取るノートを、あふれる
涙で濡らしてしまったこともあると述べられています。
「日本で一番大切にしたい会社」を読むと、こんなに人に優しい取組を行っている企業がある
ことに驚きます。経営者をはじめとしたリーダーがしっかりしていれば、こんなに人を幸せに
できるのか・・と実感します。
坂本先生を優しい方とイメージしていましたが真逆の方でした。(^_^;) 企業の経営者や
経営方法に対して非常に厳しい人、厳格な人でした。講演も少し怒り気味な感じで、お話を
していられてことが印象に残りました。このような人に優しい、特に障害者や弱者に優しい
会社を、紹介しこれらの企業が実践している正しい経営が一人でも多くの人に認知され、
企業の存在価値が向上することを目的にこの書籍が発刊されています。
そして「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」とは、正しいことを正しく行なっている
企業、日本の経済に、日本のすべての働く人に、本当の活力を生み出すために表彰している
大賞です。「人を幸せにする経営」とは、言葉にすることは簡単ですが、実践するのはとて
も難しいことです。本賞における「人」とは、1従業員とその家族、2外注先・仕入先、
3顧客、4地域社会、5株主の5者を指します。人を幸せにしていれば結果的に業績も上がる
はずです。そんな大切な会社を1社でも増やしたいという思いで顕彰制度がスタートしてい
ます。ですので応募資格もハードルが高いです。過去5年以上にわたって、以下の5つの条件
に該当していることです。
・人員整理、会社都合による解雇をしていないこと(東日本大震災等の自然災害の場合を除く)
・下請企業、仕入先企業へのコストダウンを強制していないこと
・ 障害者雇用率は法定雇用率以上であること(常勤雇用50人以上の会社の場合)
・ 黒字経営(経常利益)であること(一過性の赤字を除く)
・ 重大な労働災害がないこと(東日本大震災等の自然災害の場合を除く)
また審査基準はそれ以上に厳格です。しかしこのことをクリアーしている企業が沢山あること
に正直驚きました。審査基準の一部をご紹介しておきます。
■過去5年以上社員数が維持増加している
■過去5年間平均の正社員の転職的離職率は3%以下
■定期的に労働条件や就業環境等に関する社員満足度調査を外部に依頼し、その
満足度は常に70%以上である
■代金の締め後の支払日は20日以内である
■取引依存度が70%以上ある仕入先や協力企業の業績は大半が黒字
■過去3年間のリピート客の比率は90%以上である
■顧客の80%以上は口コミ客、紹介客である
■過去3年間商品やサービスの納期順守率は99%以上
■女性管理職が全管理職の20%以上である
■一人あたり人材育成経費は年間十万円以上、または総実労働時間に占める研修
時間は5%以上
■企業主催の親睦会行事が年5回以上開催され、社員の自主的な参加率は平均70%
以上である
■出産や子育て、さらには入院などの支援のための独自の制度が3つ以上ある
■自己資本比率は50%以上
■内部留保金が年間人件費総額を上回っている
経営者として、受賞している企業の取組を学び、正しい経営を実践して行くこと
と共にもっともっと良い会社つくっていきたいと決意致ました。
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