「大切なのは正しく恐れること・・」(803号)

米ニューヨーク株式市場は、新型コロナウイルスのワクチン開発進展をめぐる米製薬

大手ファイザーの発表を受け、主要企業でつくるダウ工業株平均が急騰して過去最高値

を9カ月ぶりに上回りました。ファイザーは、独企業と共同開発中だったワクチンに

ついて、臨床試験(治験)で90%以上に感染予防の効果があったと発表しています。

市場では、新型コロナ感染を制御できる可能性が高まったとの受け止めが広がりました。

航空会社や外食、娯楽など新型コロナの打撃が深刻だった業界を中心に、幅広い銘柄が

買われています。そんな明るい光明とは別に、都市部を中心に新型コロナウイルスの

感染拡大が続いています。

国内の新型コロナウイルス新規感染者数が連日1000人規模となり、「今まさに

『第3波』に入っている」との見解も示されています。感染者数は昨日東京では300人

を超えました。北海道でも200人を超える感染者が出ています。その大きな要因で

あるクラスター(感染者集団)の発生について国立感染症研究所がまとめた、いわゆる

「昼カラ」での事例に関する調査報告書を興味深く読みました。今年4月から6月に

かけ、北海道札幌、小樽の両市で日中にカラオケを楽しめる店を利用した高齢者による

クラスターが相次ぎました。分析によれば、感染者の79%が店内でマスクを着けず、

感染しなかった人に比べて1時間ほど長く滞在したことなどが分かったのです。調査

結果は、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会による提言にも反映されました。

大人数や長時間に及ぶ飲食、マスクなしでの会話など、感染リスクが高まる「五つの場面」

を示し、それを避けて会食を楽しむよう求めています。

新型コロナ「正しく恐れる」

道内の現状について札幌医科大学付属病院長の土橋氏は、医療提供体制の拡充や重症化率

の低下などを踏まえ、「過剰に恐れる必要はない」と強調しています。感染予防と社会・

経済活動との両立へ向け、「これまでは制約が多く、できない中での生活を強いられ

ました。これからは”できる中での辛抱”を」といわれています。未知のウイルス”に対

する医学的知見は着実に積み重ねられています。これからの季節は、風邪やインフル

エンザなどの感染も広がってきます。それとは別に感染症による経済の低迷も、危機的

状況に変わりはありません。経済活動も待ったなしの状況です。正しく恐れるための

正しい情報を元に行動していきましょう。

正しく知り、正しく恐れる それが大事っぱ

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