「ミスや間違いを探す発見力・・」(817号)

毎週末に「木こりの日」に皆さんが学んだレポートに目を通しながら、皆さんのレポート

から私自身、学びを得ています。受講している講座は皆さんが、今どのような課題に直面

しヒントを得たり、答えを探しているのかが良くわかります。そのような意味でも

「学びの的」として受ける講座選びも重要になってきます。自身の課題に即した学びを

お願い致します。さて今日は仕事上でのミスを発見する方法のヒントになる・・。

そんなお話をしたいと思います。新聞の記事からヒントを得ました。野生動物調査という

仕事があリます。自然に生息する生きものを守る仕事です。鉄道や道路などの大きな開発

事業を行うとき事業者は、その地域の自然環境の保全について配慮する必要があります。

環境影響評価法という法律により、開発事業が環境にどのような影響を及ぼすかについて、

事前に調査を行い、影響を予測・評価し、事業が環境の保全に十分配慮して行われるように

する必要があるのです。具体的には動植物の調査になります。開発候補地に生息する動植物

を把握するために調査を行い、その地域では希少な動物、特に鳥類ではタカなどの

猛禽類(もうきんるい)の生息・繁殖状況を明らかにして、開発事業による動植物への影響

や保全の必要性を検討し、報告します。調査地は荒れた樹木や道のない山の中、雪山などの

人がほとんど立ち入らないような過酷な環境のときもあり、クマやヘビ、ハチ、ダニなど

の危険生物や、落石滑落などの危険と隣り合わせです。大げさに言えばサバイバルです。

一方で大都市の公園や住宅地など、人目につく場所での調査もありますが、双眼鏡や望遠鏡、

カメラを使用していると一般の方に大変怪しまれるため、不審者に思われないように気も

使います。挨拶したりして勤務中であることをアピールするのですが、ときには通報されて

しまい、警察に職務質問を受けることもあるそうです……。(T_T)

日の出とともに動きだし、山や森の中に調査に・・。野鳥の発見と識別に努めるのですが、

相手は隠れ上手で逃げ上手です。ただ双眼鏡を向けるだけで見つかるものではないのです。

調査師が研修時代に恩師から教わった要諦は「まず、そこに“必ずいる”と信じること」。

心のどこかで諦めている人と、信じ抜ける人とでは、同じ景色を見ていても「発見力」

天地雲泥の差があると言われます。「人間の見方も同じです」「この人はダメだ」と先入観

を持ってしまえば、相手の長所も見えなくなる。肉眼で捉える前に、自分の心の眼に曇り

はないかが問われていることになります。

(↑サイゼリアの「間違い探し」難解です! 間違い10個探してみてください。)

この話と「信じる」ことを言われていますが、逆に「疑うこと」の見方をすると・・

ついつい自分の行なっている業務は達成感が先行してしまい、そこに自身の甘えや、おごり

が現れます。例えば図面の検図において、その慢心が「ミス」を発見出来ないことにつなが

ります。自分や人の行なった仕事をチェックする際は、「絶対に沢山の間違いがある」

疑い間違いを探すことが「ミスの発見力」になります。「人の可能性は信じる」ですが仕事

のチェックは「絶対に間違いがあることを疑う」ことが大切です。師走です。年末に掛けて

業務も忙しくなり、世間も慌ただしくなりますが、無事故・無感染で充実の一年を共々に

締めくくって参りましょう。

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