「小学生向け図書に学ぶこと沢山ありますⅡ・・」(821号)

―シカの皮と足が教えてくれることー

ある日、お釈迦さまが弟子たちを集めて、次のような問題を出しました。「道の上は、

ゴツゴツした石がつき出ていたり、とがった木片が落ちていたりして、どうにも歩き

にくいね。石や木を踏んで足をけがする人もいる。どうしたらよいだろうか?」弟子

の一人が答えました。「世の中の全ての道を、シカの皮で覆うのはどうでしょうか。

そうすれば随分と歩きやすくなりますし、ケガをする人もいなくなります」この答え

を聞いたお釈迦さまは「そうだね。それは良さそうだね」と言い、それから次のよう

に続けました。「でもね、考えてごらん。世の中の道を全部、シカの皮で覆うなんて

ことが出来るだろうか?無理だよね。じやあ、どうすればいい?そう私達人間の足を

シカの革で覆えばいいんだ。これなら出来るだろう?――」

「シカの皮と足」が教えてくれることは、「他人を変えようとする前に、まず自分から

変わろう!」ということです。お釈迦さまはこのお話の中で、他人と自分の関係の

あり方について説いています。人と一緒に何かをやろうとして上手くいかないとき、

私たちは「何を変えれば上手くいくようになるだろうか?」と考えます。方法は二つ

あります。一つ目は自分以外の人の行動を変えることです。ですが、人を自分の思い

通り変えることはとても難しいことです。本人がその気にならなければ、人は変えら

れないからです。二つ目は、自分の行動を変えること。これは一つ目の方法よりはるか

に簡単なはずです。自分の行動を変えることで、他の人が行動を変えるきっかけを作る

ことも出来ます。上手く行かない時は、人や環境をとやかく言う前に、まず自分の行動

を見直してみましょう。そうすれば案外楽に状況を変えられることがあります。

今年上手く行かなかったこと。目標達成出来なかったこと。などありませんでしたか?

そんな方は来年、まず自分の行動を変えることに挑戦してみませんか。

———————————————————————AtoZtoA——

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