「企業として見た戦国大名」という書籍があります。今のビジネス社会に戦国時代の
大名を置き換えて分析しています。働きがいがあるのはどの戦国大名? 企業買収で急
成長を遂げた豊臣家、顧客重視で従業員は報われない上杉家…。戦国大名を企業に見
立て、現代の経営者だったら、彼らはどんなトップで、どんな経営をしていたかを読み
解く非常に興味深い書籍です。
戦国大名の強さの秘密は、現代の企業に見立てることでよくわかります。私たちが生
きる現代社会では、各企業がしのぎを削って競争し、従業員の雇用を守りながら、
利潤を追求しています。組織が大きければ大きいほど、強大なパワーを持ち、市場を
我が物顔でいのままにあやつる。一方で、スタートアップしてまもない企業が独自の
技術で市場を創出し、時には大企業をもしのぐ勢いを見せることもあります。織田信長
豊臣秀吉、徳川家康といった名だたる戦国大名たちもまた、現代企業の経営者と同じく
人材をリクルートし、育成して、成果を上げるべく、トライアンドエラーを繰り返して
いたのです。勇猛果敢にみえる戦国武将たちも、マネジメントに苦悩しながら、暗中
模索し、失敗と成功を繰り返しながら、組織のリーダーとして、悩み多き日々を過ごし
ていたのでした。戦国大名を現在の会社に例えると、織田家は「実力主義でトップが
恐いベンチャー企業」、豊臣家は「企業買収(M&A)で急成長した新興企業」、徳川家
は「人材を生かして組織力を強化したホワイト企業」だと分析しています。紹介されて
いた大名の中では、約260年間続いた徳川家が一番ですね。そんな企業で働いたり、
就職できればいいのですが・・・。厚生労働省の調べでは、昨年から続く新型コロナの
感染拡大で、解雇や雇い止めは見込みも含めてなんと8万人を超えています。特に若者
への影響が大きいです。労働力調査によると、昨年12月の完全失業率は2.9%。
世代別に見ると、15~24歳が一番高く5.1%、次いで25~34歳の4.2%
です。大学生の就職内定率(昨年12月1日現在)は82.2%、前年同期比で4.9
ポイントも下がっています。政府には「第二の就職氷河期」を生まないよう、雇用維持、
就職支援と若者への支援に全力で取り組んでいただきたいと思います。「人の一生は重荷
を負て遠き道をゆくが如しいそぐべからず」。徳川家康の遺訓とされる言葉です。「人生
は長く苦しいもので、努力と忍耐を怠らず一歩一歩着実に歩むべきだ」ということです。
先のことはわかりませんが、数々の苦難を乗り越えた歴史から学ぶことは可能です。なお
も続くコロナ禍を遺訓を参考に乗り越えていきましょう。
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