脱炭素社会の実現に向け鍵を握るといわれる水素です。その活用に日本や世界各国から関心が高まり、取り組みが活発になってきました。そこで、水素の特徴や活用に向けた課題などについて、新聞記事からご紹介します。少し長いですがお付き合いください。
【大きな特徴】
○利用時にCO2排出しない
○長期間の貯蔵が可能
○再エネの不安定さ補う
一脱炭素へ水素の活用が注目されています。温暖化ガスの一つである二酸化炭素(C02)の排出をどう抑えるか。カギを握るのは、特に運輸部門です。再生可能エネルギーな再エネの弱点を補うのに水素が注目されるように成りました。水素は長期にわたって貯蔵できる特徴がありますので発電の安定化につながっていきます。具体的には、燃料電池を使います。本格的に普及すれば、持続可能な社会に一歩近づくことは間違いありません。
【世界初の市販燃料電池車など普及へ日本が対策リード】例えば、ドイツでは、燃料電池を搭載した鉄道を開発しました。架線が必要なく、レールさえあれば、鉄道が走ることから、インフラ整備の負担軽減が期待できます。オーストラリアは、広大な砂漠にメガソーラーパネルを取付けて生み出した再エネでグリーン水素を生成し、それを輸出する戦略です。また、ニュージーランドは地熱を活用したグリーン水素の生成が、世界有数の産油国であるサウジアラビアは石油資源を分解して水素を取出すとり組みが、顕著です。日本は、水素戦略では、日本が世界で主導権を握っています。2014年にTOYOTAが世界初となる商用FCV(燃料電池自動車)を発売しました。その前年、政府は「水素・燃料電池戦略協議会」を立ち上げ、17年には、低コストな水素利用の実現などを柱とする世界初の水素戦略「水素基本戦略」を策定し、世界に発信。各国の水素戦略は、こうした日本の戦略を基本にしています。
【供給量・設備の増加が必要】
水素活用を進めるための課題は、とにかく水素の供給量を増やすこと。FCVは、水素充てんが3分程度で、ガソリン自動車の給油と同等です。補助金を活用すれば、400万円程度で購入することが可能に成りましたが、水素を補給する水素ステーションの数が少ない。都市ガスやLPガスから水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させて電気とお湯を同時につくり出す家庭用燃料電池「エネファーム」の普及も課題です。水素社会の実現に向け政府が19年に策定した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では、30年にFCV80万台、水素ステーション900ヵ所を目標に掲げました。エネファームでは、30年までに530万台の導入をめざしています。国内に一軒家は約4000万軒あるとされ、目標を達成すれば、7~8軒に1軒で導入する形です。実現すれば、水素は本当に身近なものとして定着します。水素の供給に関して政府は、「グリーン成長戦略」で、30年に最大300万トン、50年に2000万トンの供給をめざす方針です。C02排出量の削減に向けた企業などのさまざまな研究開発を後押しするため、2兆円のグリーンイノベーション基金が用意されました。今後、重要なテーマである水素活用への取り組みも一挙に進むのではないでしょうか。私達も今後水素社会に向けた、開発業務にも関わることが出てくる可能性大です。