「おかしろい・が道を切り開く」(924号)・・真空技術のAZA

紙幣24年度に刷新され2004年以来、20年ぶりとなります。新紙幣の表の図柄が1万円札の渋沢栄一。彼は第一国立銀行(現在のみずほ銀行)など数多くの企業を設立し、日本の資本主義の父とされた。1万円札の人物の変更は1984年に聖徳太子から福沢諭吉になって以来となります。 日本の資本主義の父と言われる渋沢栄一の生涯を描く作品、NHK大河ドラマ「青天を衝け」で気になる存在が、堤真一さん演じる平岡円四郎です。15代将軍となる一橋慶喜の家臣で、幕末動乱の中、攘夷派の過激な志士だった渋沢栄一を一橋家に仕官させた人物です。ドラマの中で平岡は、渋沢に会ってすぐに「ずぬけておかしろい」と、その優れた資質と気骨を見いだしました。この出会いがなければ、後に「日本資本主義の父」と称されるようになった渋沢の人生も違っていたかもしれません。渋沢の平岡評が興味深いのです。「この人はーを聞いて十を知るという質で、客が来るとその顔色を見ただけで何の用事で来たのか、ちゃんと察するほどだった」。しかし、前途が見え過ぎるため、他人の先回りばかりして嫌われ暗殺されてしまったと・・。慶喜が15代将軍になったのに伴い幕臣になった渋沢は、1867年のパリ万博に出席する幕府の使節に随行してヨーロッパに渡航。スエズ運河の開削工事などを目撃した、この海外経験が後の活躍につながることになるのです。ちなみにドラマで平岡が囗にする「おかしろい(面白おかしい)」は、「おかしい」と「面白い」をミックスした江戸弁です。誰も自分の人生の行く末を見通すことはできません。だからこそ、目の前の課題に全力で取り組むことが「おかしろい」道を切り開くと、渋沢の人生が示しています。

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