「デジタル化とイノベーション3」(1026号)・・機械設計DXのAZA

月曜日に2回続けてきた、「デジタル化とイノベーション」のお話の最終回になります。中小機構が運営する「経営大学校」も残すところ2回で最終課題は、自社のDX(案)を作り上げることです。12月初旬までに4回のZoomによる討議回を開催し、チームメンバー、講師からもアドバイスを受けながら作っていきます。私の考えている具体的なDXは3つあります。1つは先日ご案内した、某メーカーが進める「製造業における部品調達のデジタル革命」「オンライン機械部品調達サービス」を導入し活用していくことです。設計製作案件には導入可能です。次に考えているのは、設計ツール(CADなど)を利用して、持っている機能を最大限に活用しDXを進めていくことです。現在使用している設計ツールには私達が使用していない機能があります。少しやりかけた3Dデーターを使用したアニメーションやVRなどのバーチャル・エンジニアリングです。バーチャル・エンジニアリングは、設計と開発をバーチャルの世界で行うことで、試作品を作る手間と費用を省略出来ます。そのために開発のリードタイムが短縮され、迅速に仕様変更や精度が高く最適な仕様の設定が可能になります。残念ながら日本の製造業ではバーチャル・エンジニアリングが進んでいないと指摘されています。それどころか3D図から2D図への回帰傾向すらあることが分かっています。最後にご紹介したいのが、私が卒業課題で取り組んでいる検図をAIで行う「図面活用AI」というものです。これはAIを使って、紙図面の情報を効率よく漏れなく読み取ります。これまで検図という図面チェックなどの作業工程を大幅に削減できるほか、ミスやチェック漏れも大きく減らせます。AIですので沢山のデーターを読み取り学習することで検図の精度も上がってきます。皆さんの行っている検図を月30Hとすると全体で900Hの工数を掛けて検図を行っていることになります。その半分の時間が短縮出来れば月額180万円程度の設計費削減が出来ます。また検図で浮いた工数450/月は、別の業務に当てる工数にもなりますので月額400万円近い売上増が見込めますし検図の精度も格段に向上します。また、AIを使った検図事例を構築することで、他社で作成した図面の検図を行う「検図サービス」という新たな事業にも発展させることが出来ます。実現には多数の難問があると思いますが、具体的に取組を開始して「AZAのDX」で新たな発展の礎を築きたいと思います。

エンジニアリング事業部・最近の実績☆☆AtoZtoA