利益追求の目的と意義について、先週に引き続き書籍:「経営のこころ」からお話をさせて下さい。稲盛氏は経営をしていくうえで、最初に遭遇して悩んだのは、利益追求ということをどのように皆に分かってもらうか、ということでした。特に技術で会社を立てていこうとしていましたから、大卒の優秀な人たちを大勢入れて仕事をしていかなければならない。そういう知識人たちにも納得してもらわなければなりません。そのなかでどうしても気になったのは、「あなたはきれいごとを言っているけれども、結局、企業というのは利益追求が目的なんでしょう」と言われることでした。まさに私は利益を出さなければならないと思って、みんなに「頑張れ、頑張れ」と言っているわけですから、それにはやはり非常に悩みました。利益を求めることはダーティというか、汚いというか、私自身にもいくらかそんな思いがあったのです。そして悩んだすえに気がついたのは、利益追求とは汚いことでも何でもないということでした。利益がなければ昇給もしてあげられないし、ボーナスも出せません。もし利益が出なくて、従業員の人件費やら何やらで一定の経費だけがかかるとしますと、それだけでいっぱいいっぱいで余裕がなくなり、もう来年の昇給はできないことになります。今、利益があるということは、来年も再来年も昇給の余裕があることです。つまり経営に余裕があるということは将来の保証になるわけです。では、上がった利益はどうするのか。半分は税金に取られます。そして残ったお金は会社に内部留保として入れる。内部留保というのは銀行からの借入れを減らし、借入れがなければ預金をして、その金利がさらにまた利益を増やしていく、という性質のものです。この利益について悩んでいるときに、松下幸之助さんが言われた「天下の資材を使い、天下の人材を使って事業を営み、赤字を出すというのは、罪悪を犯しているようなものだ」という言葉を聞いて、「ああ、これで救われたな」と思ったものです。と・・また経営というものは、多くの物を売り、経費をなるべくかけないようにする、その一点でのお互いの知恵の出し合いです。その意味で、利益というものはどうにでもなります。売上を極大に、経費を極小に持っていくことで、おのずからその差額として利益が出てくるのです。そう考えていけば、企業経営というのは、もっともっと伸びる可能性があるはずです――。2月認定の100達で未達者が多くでました。利益を皆で意識して業務に取り組んで行くことを再確認したいと思います。またお客様との仕事をすすめるに当たり、お客様に仕事の創出を提案できないでしょうか?例えば構造解析が必要だと思ったものが出てきたら、解析を別途させて欲しいとか・・。3Dモデルがない物を見かけたらモデリングデーター作りませんか・・。とか自分でやろうと思うと仕事を増やすことは面倒ですが、外注化をすることが前提であればどんどん提案出来るのではないでしょうか。多くの物を売ることに知恵を出し合い利益を追い求めて行きましょう。
エンジニアリング事業部・最近の実績☆☆AtoZtoA