「メタバースとは何か」(1086号)・・半導体製造装置設計のAZA

今日は読書をテーマにしたブログの日です。中央大学国際情報学部教授の岡嶋裕史氏の著書:「メタバースとは何か 」についてお話させてください。先日受けた中小企業大学校の研修でも「メタバース」についても少し触れていました。トレンドの企業、フェイスブック(メタ)だけではない。マイクロソフト、ウォルト・ディズニー、アディダスなど世界的な大手企業による「メタバース」参入の動きが相次いでおり、メタバースへの関心は高まる一方です。また昨年(2021年)10月にフェイスブックが社名を「メタ」に変更して以降、メタバースがバズワードとして関心を集めています。多くの多国籍企業が参入を表明し、今後メタバースによって巨大経済圏が生まれ、その市場は2028年に100兆円規模へ拡大するという予測もあるほどです。さて「メタバース」は、まだ辞書には載っていない言葉でもあります。辞書的な定義をすれば、「サイバー空間における仮想世界」になります。情報技術の進歩は、データのコピーを容易にしました。さらに、仮想現実(VR)の技術によって、体験もデジタルコピーできるようになりました。VRはまだ発展の過渡期の技術ですが、今後は現実と変わらない疑似現実へと発展していく可能性があります。体験をデジタル化するもう1つの潮流が、現実とは違う別の世界を作るメタバースです。仮想現実であるメタバースは、現実ばなれした「都合のいい世界」を作ることができます。メタバースが勃興しつつある背景には、次のような変化があります。

・技術の向上
描画機能やモニタの解像度などが大きく向上した。これにより、VRなどを使用すれば、本当にその世界に没入したような感覚が得られるようになった。
・社会構造の変化
個人の自由が拡大した。自由には責任が伴うため、リアルな社会は自由を謳歌できる強い人には居心地よく、そうでない多くの人は息苦しい。そのため、快適に生きられる「もう1つの世界」が求められるようになった。――。

SNSは快適な閉じた空間ですが、仕事をする時などはそのサービスを離れなければならなりません。しかし、高度な技術で仕事も学校もそこで完結するようになると、少なくない人々が「もう1つの世界」に移住したいと願っても不思議ではないのです。GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)はメタバースの商機を逃しません。特にビジネス基盤が脆弱なフェイスブックは、これに照準を合わせています。技術の進歩はめざましく「メタバース」の中で暮らしている日がそこまで来ているのかもしれません。

エンジニアリング事業部・最近の実績☆☆AtoZtoA