先進的な技術で睡眠の質を改善する「スリープテック」。睡眠不足大国と呼ばれる日本での動向の記事を紹介致します。
●IT活用し健康管理/約12・5兆円の巨大な世界市場
スリープテックとは、IT(情報技術)などを使って睡眠を支援する製品やサービスのことです。健康意識の高まりなどを背景に世界的な市場規模は、2 0 2 4年に1000億ドル(約12・5兆円)前後に拡大するとの試算もあります。近年、国内でも注目を集めているのが、睡眠時の脳波や心拍数などの各種データを計測する装置や、眠りの深さや状態に合わせて姿勢を変化させるベッドなどの寝具です。また、食事の内容が眠りの質に影響を与えることから、食品メーカーなどの多様な企業がスリープテックの開発に参入するなど、裾野が広がっています。日本は、統計の上からも、睡眠の質や満足度が低く、潜在的に大きな需要が存在するとみられています。経済協力開発機構(OECD)の20年の調査によると、日本人の平均睡眠時間は約7時間20分で加盟国30力国で最下位。全体平均の約8時間20分と、ほぼ1時間もの差があります。厚生労働省が20年に公表したデータでも、20代以上で6時間未満の睡眠だった人が39%に上っています。
●睡眠不足「年間15兆円損失」と試算もさらに米国のシンクタンク「ランド研究所」が16年に発表した調査結果によると、睡眠不足に起因する日本の経済的損失は、国内総生産(GDP)の2・92%に当たる1380億ドル(当時のレートで約15兆円)。この比率は調査対象5力国(日本、米国、英国、ドイツ、カナダ)の中で最大です。近年、スリープテックに注目が集まる背景には、巨大IT企業が健康・ヘルスケア産業に寄せている関心の高さがあります。データの収集や効率化に優れるIT技術は、へルスケア関連のデータ活用を軸とした新規事業の創出を可能にしました。スマートフォンアプリで計測した健康に関する各種の情報を個人がインターネットで管理するためのシステムも広がり、医療機関が扱うデータと連携すれば、より質の高い情報を共有することも可能となります。
私自身も睡眠時間の確保が課題です。「スリープテック」の動向を今後も注視していきます。
エンジニアリング事業部・最近の実績☆☆AtoZtoA