「ファンクショナル・アプローチを使う」(1168号)・・半導体製造装置設計のAZA

「知識から知恵を生み出す・ファンクショナル・アプローチとは」というセミナーを受講しました。「すべての製品やサービスは、「何のため」という「機能=ファンクション」を持って作られたものです。カタチのまま考えていても突破口を見いだせなかった課題に対し、ファンクションに置き換えるという作業をしてみることで、新しい視点が得られ、まったく別の解決策が見えてきます。それがファンクショナル・アプローチの原理です。ファンクショナル・アプローチの出発点は「何のため」という問いかけです。あるカタチが「何のため」に作られたのかを繰り返し、繰り返し考え、思いつく限りのファンクションを書き出していくことです。たとえば、喫茶店は「何のため」にあるのか。「コーヒーを味わう」ためです。しかし、心地良い音楽が流れ、ゆったりとソファに座ってリラックスできる空間には「気分を和らげる」効用もあります。待ち合わせやミーティングに利用する人にとっては「場を提供する」というファンクションが重要になります。あるいは、冬には「体を温める」、夏は「体を冷ます」ために利用するという人も多いです。つまり「体調を整える」ファンクションも持っているということになるのです。その問いかけは「何のため」であって、「なぜ」ではいけません。「なぜ」にすると犯人捜しになってしまうからです。特にグループで討議しているような場合には、メンバーそれぞれが自己保身に走ってしまい、建設的な意見が出てこなくなってしまうのです。ファンクションを書き出すときには、「○○を○○する」という「名詞+他動詞」の形で表現するのが鉄則です。なおかつ、機能を絞り込むため、名詞はなるべく具体的にする。逆に、余計な価値判断などを挟まないよう、動詞はなるべく抽象的にするのがポイントです。また、「誰のため」かを考えることも大切です。たとえば、喫茶店の小さなテーブルに置かれたままになっているメニューは、顧客のためでしょうか。顧客がいつでもメニューを見られるようにしておく、という目的もありますが、小さなテーブルがメニューのためにいっそう手狭になってしまうことを、顧客は快く思っていないかもしれません。それよりは、店側がメニューを出したり下げたりする手間を省くため、という理由の方が大きいかもしれません。改善は誰のために行うのか。「使用者優先」の意識を持たなければ、良い結果は望めません。たとえば、レッツノートという製品がユーザーの支持を受けている本当の理由も、単に「軽い」「バッテリーが持つ」といった特長を見ているだけではわかりません。「そういった個々のスペックはカタチに過ぎません。単に本体が軽ければいいというわけではないし、一昔前は2kgのノートパソコンでも『軽量』と言われていたように、軽さも絶対的な尺度でないのです」社内で会議室へ移動したとき、あるいは商談のために外へ出たときなど、場所にとらわれずパソコンで仕事をこなすには、どういうファンクションが必要か。持ち歩くのが苦にならないこと。電源のないところで使えること。故障などのトラブルで仕事が中断されないこと。持ち運ぶ際に壊れないよう丈夫であること。業務をこなせるだけの処理性能を持っていること。レッツノートの個々の特長には、ビジネスパーソンの「仕事を支える」というファンクションが一貫して根底にあるのです。「重要なのは、ファンクションを達成できるかどうかです。だから、今後もビジネスパーソンのニーズを満たし続けていくとするなら、レッツノートはレッツノートらしさというカタチをどんどん手放していくのではないでしょうか」物に対する考え方を ①誰のために ②何のために にしたら新しい解決方法が必ず見つかります。

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