「健康寿命を考える」(1216号)・・健康経営優良法人のAZA

【平均寿命ではなく健康寿命を延ばすべき】
日本人はこれまで平均寿命を延ばすことに汲々としてきました。しかし、人生の後半を充実させるには、健康寿命を意識すべきです。なぜならば、2021年現在、日本人男性の平均寿命は81.47歳、女性は87.57歳であるのに対し、心身共に自立して健康的に生活できる「健康寿命」は男性が72.68歳、女性75.38歳。平均寿命と健康寿命との差からして、男女ともに10年ほど介護の手を必要とする可能性があるわけです。最期を迎えるまでの10年間を寝たきりやそれに準じた状態で過ごすと想像すると、背筋がぞっとしませんか。
【健康寿命を縮めるのはメタボならぬ「ロコモ」】
しかも、要支援・要介護原因のトップは脳卒中や脳梗塞のようないわゆる「疾病」ではなく、実は誰もがおちいる可能性がある「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」、通称「ロコモ」なので、あなたも決して他人事ではありません。19年の国民生活基礎調査(厚生労働省)を見ると、要支援・要介護の実に4人に1人がロコモが原因であると認定されています(下図)。ロコモとは「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下している状態を指します(日本整形外科学会の定義)。つまり、体を動かすための仕組み―骨、関節、筋肉、神経などの「運動器」が衰えたり、損傷することで、自分が想像する以上に動けなくなってしまった状態です。平均寿命を脅かすメタボリックシンドローム(通称メタボ)とは違い、健康寿命とロコモの関係は、あまり注目されてきませんでした。しかし現実には、運動不足で筋肉量が減り始める40、50代から、ロコモに片足を突っ込んでいる人も少なくないのです。人生の折り返しでつまづかないように、自分の「ロコモリスク」を確認してみてください。

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