「新入社員は78歳・を読んで・・。」(1399号)業界初・ものづくり技術支援をサブスクで提供するAZA

書籍のご紹介をいたします。NHK「ニュースウォッチ9」、フジテレビ「Live Newsイット」などで話題の株式会社中央シャッター、株式会社横引シャッターの代表取締役を務める市川慎次郎さんによる著書。
『新入社員は78歳』というのは、同社が雇った新入社員が78歳という意味で、決して78歳新入社員のドキュメンタリーではありません。れっきとした経営書です。ちなみに94歳まで働いていた社員がいたそうです。
本書では、平均年齢57.8歳、定年なし、年齢・性別・国籍一切不問のユニークな経営を実践する著者が、社員から信頼される職場づくりの秘訣を述べています。
給与の遅滞が1億円、税金の滞納が1億円、仕入れ先の未払いが1億円、銀行借り入れが6億という、最悪の状態から、どうやって会社を再生してきたのか、泥臭い舞台裏が語られています。
ザルだった経理を見直し、額面以上の効果がある取引先から先にお金を返す。社員にお金を払う時もインパクト勝負。
なるほど、ここまで追い込まれたくはありませんが、追い込まれた時、どう物事を進めればスムーズに問題解決できるのか、その手順がよくわかります。
また、「中小企業に定年なんていらない」という言葉に象徴されるように、中小企業ならではの上手い人材活用、マネジメントの方法が書いてあり、これは使えると思いました。
休みの日をすべて有給にする、銀婚式の記念旅行にはお祝いを渡す、若い社員が合コンに行く時は早めに退社させる…。
普通じゃ考えられませんが、ロジックを知ると、なるほど中小企業はこの方がいいかもしれないと思うようになりました。
大企業が太っ腹な福利厚生やルールで来るなら、中小企業は「つながり」で勝負する。
安心して働ける、新しい時代の中小企業のモデルだと思いました。
【著者について】
◉――1976年、埼玉県生まれ。東京都内に本拠を置く、株式会社中央シャッター、株式会社横引シャッター代表取締役。父の先代社長が、従来上げ下げしていたシャッターを横開きできるよう開発して、「横引きシャッター」として特許を取得している。
◉――高校卒業後、中国の清華大学へ留学し、北京語言文化大学(現・北京語言大学)漢語学部経済貿易学科を卒業。帰国後、父の経営する株式会社中央シャッターに入社。父の下で創業者の精神を叩き込まれ、総務部部長・経理部部長を兼任し、当時9億円を超えていた負債を圧縮して会社を立て直した。2012年、父の急逝を受けて代表取締役に就任。先代社長の遺志を受け継ぎ、地域とのつながりを大切にする着実な経営で安定した業績を残している。
◉――東京青年会議所足立区委員会委員、東京商工会議所足立支部建設分科会副分科会長などを歴任。駅の売店に多く採用されている横引きシャッタ―の普及や、定年のない雇用、がん患者が働ける職場づくりを実現させたことで知られ、こうした実績に基づく講演などを各地で行っている。

エンジニアリング事業部・最近の実績☆☆AtoZtoA