「9月の日銀短観を読み解く」(1614号)

日銀が10月1日に発表した9月の全国企業短期経済観測調査(いわゆる「日銀短観」)の結果が出ました。企業の景気に対する感触を示す「業況判断指数(DI)」を見ていくと、大企業製造業ではプラス13と、前回6月調査と比べて横ばいでしたが、その中でも半導体関連の回復が目立っています。特に、電気機械の分野ではプラス11と大幅に改善しています。これは、IT関連の需要が復調していることを背景にしており、弊社が支援している半導体製造装置メーカーにも、この流れが影響してくることを期待しています。
最近の半導体業界は、中国などの海外需要の低迷に対する懸念もありますが、IT関連の需要回復が業界全体にとって追い風となっているのです。特に、電気機械分野の回復は、弊社にも良い兆しをもたらしてくれそうです。
一方で、日銀短観の全体を見てみると、景況感には強弱両面が見られます。例えば、円安の修正により原材料価格の上昇が一服し、紙や化学の業界は好調だった一方で、鉄鋼や自動車産業は、台風の影響で工場が停止するなど、少し停滞が見られました。
非製造業に目を向けると、特に小売り業界は、猛暑の影響で夏物商品が好調に売れ、改善傾向が見られました。また、インバウンド需要が回復し、宿泊・飲食サービス業界も好調で、過去最高の数値を記録しています。
しかし、全体的には「人手不足」がさらに深刻になっているようです。中小企業非製造業では過去最低の水準であるマイナス47という結果が出ており、今後は人材確保がさらに難しくなりそうです。弊社も、引き続き社員の育成や採用に注力し、働きやすい環境を整えていく必要があると考えています。
弊社としても、半導体業界の回復基調をしっかりと捉えつつ、これからもお客様のニーズに応える設計支援を続けてまいります。引き続きよろしくお願いします。