「官民一体で加速する半導体産業の未来」(1709号)

【半導体産業情報】回路線幅2ナノメートル級。ナノは10億分の1を示す単位であり、その極小さには実感が湧きにくいかもしれません。しかし、この技術革新が持つ意味は非常に大きいものです。現在、日本では次世代半導体の国産化を掲げる株式会社ラピダスが、北海道千歳市に製造拠点を構え、今年4月から試作ラインを稼働させる計画を進めています。
私が40年以上前にこの仕事に従事した頃、半導体産業はまさに世界の頂点に立っていました。日本の技術が世界をリードし、その発展の一翼を担えたことを誇りに思っています。当時の活気ある現場を思い出すと、今再び半導体産業が国を挙げて成長しようとしているこの動きに、大きな期待を寄せています。
生成AI(人工知能)をはじめ、スマートフォンやデータセンターなど、私たちの生活や産業を支えるさまざまな電子機器の心臓部である半導体。回路の集積度が高まれば高まるほど、情報処理能力の向上と小型化、省電力化が進みます。そのため、最先端技術を巡る国際競争は年々激しさを増しており、日本もその競争の中で再び半導体王国としての地位を確立しようとしています。
こうした動きの中で、日本政府は半導体産業への支援強化に向けた関係法改正案を閣議決定しました。公的資金による支援のほか、民間企業の積極的な投資を促進する仕組みを整えています。すでに千歳市には30社以上の関連企業が進出しており、今後さらに増加する見込みです。また、新年度には北海道大学内に「半導体フロンティア教育研究機構」が設立され、実践的な人材育成と研究開発の活性化が図られます。
私たちアザエンジニアリングも、半導体製造装置の設計支援を担う企業として、この流れを注視しています。半導体産業が持つ経済的な波及効果は計り知れず、私たちの技術力もまた、国内産業の発展に貢献できる重要な要素となるでしょう。今後の技術革新に伴い、私たちの設計力を活かした新たな挑戦の機会が増えることが期待されます。
日本がかつての半導体王国としての輝きを取り戻し、その恩恵が全国へと広がることを願いつつ、私たちも設計支援の立場から業界の成長に寄与していきたいと考えています。