「セミナーで大切なことを学ぶ・・」(519号)

金曜日は、まる1日使って「AZA忘年会」を開催致しました。今年は千葉方面

アウトレット、イオンモール、竜宮スパの3チームに分かれて夜はドイツ村でバーベQ

とイルミネーションを堪能してきました。お疲れ様でした。一年のとても良い慰労

になったのではないでしょうか。幹事さんお疲れ様でした、有難う御座いました。

さて、6日(木)夕方からSIC(相模原産業創造センター)主催の経営者セミナーを

受講してきました。講演テーマは「ブレない老舗のプライド。ITと働き方改革に賭け

た経営再建」神奈川県畑秦野市にある創業100年の老舗旅館、「陣屋」が舞台になり

ます。

AZA忘年会

創業100年、三井財閥の別荘として建てられ昭和になってから旅館として

営業開始、一万坪の庭園が広がり、特別室の「松の間」は将棋や囲碁のタイトル戦の

舞台としても有名。3代目女将と宮崎駿監督はいとこ同士で、宮崎監督が幼少期に

陣屋で過ごした事が「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」に影響を与えたと言われ

ています。その陣屋の4代目の株式会社 陣屋 代表取締役 女将 宮崎知子さんの

講演でした。旅館の息子の富夫さんの元に嫁いで来ました。富夫さんは当時、ホンダ

技研の優秀な技術者で、燃料電池車の開発に従事していました。旅館を次ぐ気は一切

なかったのですが、夫の父が亡くなり、お母さんが何とか切り盛りをしていました。

そんな義母から知子さんに「負債が10億ある」告白を受けます。返済出来なければ

夫にも当然借金が及び、当時2歳の息子にまで借金が及ぶかもしれないと思った

知子さんが決心したところが、陣屋の再建の一歩となりました。

夫が陣屋を継ぎ、女将として知子さんとの再建2人三脚が始まりました。

再建計画では、エンジニア業の経歴を活かし、ITの導入などで徹底的な効率化を図り

V字回復を実現します。さらにはその管理システムを別会社として設立した

「陣屋コネクト」で販売、開発なども手がけています。

10億円の借金返済の為に、IT化によって従業員の削減、働き方改革や経営方針など

劇的な見直しを図り型破りの様々な試みが行われました。

まず、富夫さんの考案でIT導入、従業員全員にタブレットを配り、アナログ管理を

廃止、情報共有の高速化で作業効率の大幅向上。

知子さんのアイディアでブラダル事業を発足。大ヒットとなり同時に両親や親戚など

の宿泊を大きく獲得。さらには高級志向を高め、宿泊代を高めに設定し送迎に

ロールスロイスを使うなどが好評を得ます。

さらには旅館の稼働率の悪い火曜日を閉館にし、従業員のリフレッシュや

テレビ撮影などに使うようにしたりと型破りな試みで陣屋はV字回復を成し遂げ

ました。価格競争で安くするところをあえて、高級志向を取り入れ、IT技術導入で

奇跡の再建をしたのです。

今ではその取組に大きな注目が集まり、日本サービス大賞「総務大臣賞受賞」

「羽ばたく中小企業、小規模事業者300社選出」「攻めのIT経営中小企業

百選選出」などを受賞されました。女将の知子さんは、旅館を継ぎたくて継いだ

わけでなく、「愛息子に負債を背負わせない」との決意だけでスタートしたことが

あらゆる知恵を生み、協力者を得、仕組みを作り、改善させた物語です。

ご主人の富夫さんは現在、自動車部品メーカーの代表取締役として、舞台を移し

活躍中です。人は、必死になった時に道をこじ開け、切り開くこスピリッツを

学び確認しました。

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 「技術をデザインする」  マルチエンジニアリングのAZA